潜在看護師が多く存在する理由

看護の資格を持っているが、看護職として働いていない人たちのことを、潜在看護師と言います。その数はなんと、約71万人にのぼるほどの数です。医療現場では人手不足が深刻な問題として取り上げられています。労働省が2010年度に行った看護職員就業状況等実態調によると、看護師としての退職理由で最も多いのは、出産育児のためで22.1%、次いで結婚が17.7%、そして、他施設への興味が15.1%となっています。ライフステージの変化に伴い、離職せざるを得ない状況に陥ってしまう人が多いこと、そして、働き方に関する柔軟性を持ち合わせている職場が少ないということがわかります。

そして、求職活動をしているものの、就職できていない理由としては、勤務時間や休日が希望と合わない、希望する内容、職場の求人がないなどが挙げられています。その時の家庭の状況や、様々な理由によって、仕事をする際に制限が出てきてしまう人たちにとっては、希望する条件と合っている職場を探すことが非常に困難であり、再就職の機会が妨げられているのです。

一方、就職を希望しているが、求職活動をしていない理由の場合は、急いで仕事につく必要がないという意見が最も多く、その他には、家事育児のため仕事が続けられそうにない、看護業務から離れていたことによる不安などが挙げられています。再就職を希望している人たちが抱えている、様々な不安を解消していけるような策が、職場に求められています。